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社長メッセージ


代表取締役社長

堀井 正典

「大切な樹々に心をこめて」

 尺余の苗木が成長して、大地をしっかりとそのふところに抱き、木材が資源として社会に役立つまで、数十年ないし百数十年もの歳月を必要とします。林家は植えた樹木の実りを自ら得ることは希少です。加えて林業労働は過酷で危険がついて回ります。その道は険しく茨に覆われた苦難の道でした。しかし先人たちは進んでその茨の道を選び、膨大な資産を後世に残してくれました。
 山々に足を踏み入れれば、先輩たちがひたすら育ててきた樹々が喜んで我々を迎えてくれます。ものは言わぬ樹々に先輩たちのそのひたむきな心と哀惜の情が湧いてきます。
 森の仕事には常に歴史の息吹を感じます。私達の小さな実績を通じて地域活性化はもとより、林業の再生、地球環境問題への一助となることなることを信じて日々を前進したいと願ってやみません。


・経歴と会社設立の経緯

 昭和43年大学を卒業し、製造、流通の民間会社の2社で総務、経理、人事等主に事務部門を主体に36年間実務経験。60歳定年を1年後に控え、平成20年、森林の荒廃を憂えた友人6人が集まり、任意団体「天城森林整備の会」を発足。以後静岡県の「森の力再生事業」による施業を受注しながら、民間一般事業等も手掛け、事業量及び事業の幅を拡大、平成23年7月株式会社化し現在に至りました。
 社会経験は事務的な管理部門が大半であるが、実家は代々少しばかりのスギ、桧等の自家所有林や椎茸栽培を行うなど、副業的な小規模経営で林業とは小さいころから無縁ではありませんでした。本格的にこの世界に入り込んでから、知識や経験を重ねていくうち、いろいろな発見があり、感動があり、徐々に山が見えるようになってきました。とはいえ、年はとってもまだまだ覚えることが多く新たな課題が次々に湧いてきて時間はいくらあっても足りない現状です。
 晩年になって森林林業の幅広さ、奥深さに出会えたことを心から感謝している次第です。この森林林業の広さ、奥深さ、世代を超えた継続性を若い人できるだけ知ってもらい、覚えてもらい次代の人たちに少しでもすばらしい伊豆の、そして日本の世界中の緑を永遠に引き継いでもらえるよう、若い人たちが知恵を出し、力をつけるよう支援するのが自分の使命と考える。


・森林林業の持続性

 自分達の子供の頃の昭和20年代から30年代にかけてはまだ終戦の爪痕がいたるところに残っていました。着るものはズボンやもんぺが夏冬兼用でせいぜい1、2着、下着やパンツは飼料用の袋で母親が作ったものを穿いていました。食べ物はといえば主食の米は足りなく、おかずといえば自作の野菜か野山の草、肉類は一切ありませんでした。家はわら葺の掘立小屋、でも家があるのは田舎だけで、都市ではすべての建物が空襲で焼かれました。
 このような悲惨な状況の中からも人々は復興に向けて力強く動き出していきました。日本各地で各種公共施設、建物、住居の再建が始まり、膨大な量の木材の需要が必要となりました。山を持っていること、木があることが貴重な財産だったのです。
 まだ小学生低学年のころから子供達は山に駆り出されて焚き付け用のモヤや焚き木取り、小学5,6年から中学生くらいになると、春は植林、夏は下刈り、冬は材木運びのためのソリの運搬、枕木の油引きなどの手伝いをさせられ、子供たちはどこでも親たちの貴重な戦力となっていました。
 今のような道具も機械も車もなかった時代から、先人たちは「朝は星をいだき、夕べには月影を踏み…」数里もある山奥までナタと鋸を背負い徒歩で毎日通って山を守ってきたのです。先人達の残してくれた貴重な資源(我国にとって自給可能な唯一の資源ともいえる)であるこの森林の木々はたとえ1本たりとも無駄にできないと思う心当然ではないでしょうか。
 戦後の拡大造林で植林し、育てた木が日本全国で収穫の時期を迎えてきております。長い間、森林は木材価格の低迷で、価値のない資源として忘れ去られておりました。近年ようやく国民も木材価格だけでなく森林のもつ多面的機能に気が付き、その有用性が注目されてきております。
 政府も数年前から本腰を入れて森林林業の活性化に向けて、人材面や資金面等であらゆる助成を講ずるようになってきております。長らく忘れ去られてきた林業にようやく目が向けられてきたのです。今、林業再生にとってチャンスが到来してきたといっていいと思います。やる気のある林業家はここで大きく飛躍するでしょう。
しかし課題は山積しております。
  @地主不明、境界不明確
  A生産性の低さ
  B機械化の遅れ
  C作業路網作設技術立ち遅れ
  D経営管理技術の不足
  E伐倒をはじめとする造林、育林技能の低さ
  F安全性への配慮
数え上げたら次々に課題が上がってきます。
 私達はこれらの課題を乗り越えるべく技術をあげ、勉強し、強い意志をもって粘り強く挑戦していかなければなりません。そして従業員の幸せだけでなく、地主さんの満足を得られ、地域社会がより元気になるよう事業を通じて支援していかなければなりません。
 わが社の当面の課題は生産性の向上であると思います。各人が勉強し、挑戦し能力を上げ、利益を地域にも還元しながら、経営的体力をつけていく。次にこの蓄積を生かしながら、森林整備を基本とした素材生産、木工品、マキ、ベレットその他の林産物製造、販売等へ事業を展開していくことが、当社の中期の目標と考える。
 以上の課題を達成できるか否かは、皆の強い意志とチャレンジ精神とたゆまぬ勉強と努力にかかっている。